税金!トレーニング部

このブログは税理士・会計士のための総合支援サイト「会計事務所の広場」の部活動として、中小企業の経営者さんを応援することを目的に、日頃から疑問に思っている「税金や節税」を中心に全十回にわたって紐解いていきたいと思います。 会計事務所の広場:https://kaikei-hiroba.com/

第八回 サーバ・レンタルで新たな事業収益? 最新版・法人節税で2020年決算を乗り切る!

部長:今回も皆様、アクセスいただきありがとうございます!

このブログは税理士・会計士のための総合支援サイト「会計事務所の広場」の部活動として、中小企業の経営者さんおよび士業さんを応援することを目的に、日頃から疑問に思っている「税金や節税」を中心に全十回にわたって紐解いていきたいと思います。

会計事務所の広場:https://kaikei-hiroba.com/

 

部員:それでは前回に引き続き、レンタル事業の話題ですが、今回はサーバ・レンタルということでしたよね。

 

部長:はい。それでは商材となるサーバについて、おさらいしてみましょう。サーバは英語で 「Server」と書きます。直訳すると「提供する人」「仕える人」という意味です。つまりサーバとは「情報を提供する側のコンピュータ」のことを指します。

 

 

パソコンとのサーバの違いは何ですか?        

部員:具体的にパソコンとの違いは何ですか?今までは全然ちがう物だと思ってました。

 

部長:サーバは情報を提供する側の専用マシンであって、パソコンは「最終的に情報を受け取る側のマシン」です。したがって、サーバにはカラーディスプレイやスピーカー、カメラ、キーボードは付いていませんが、基本構造は同じです。メンテナンスなどで必要な時にはモニターやキーボードを接続することは出来るようになっています。

 

部員:そういえば、ウチの会社にもサーバがありますよ。夏場に熱がこもってサーバがダウンしちゃった時は、社内のインターネットが使えなくなって大変だったのを覚えてます。

 

部長:10年ほど前までは、どこの会社も自社内でITインフラを構築していたので、社内にサーバールームを設置していましたよね。アプリケーション・ソフトもDVDからインストールしていました。しかし、最近は、クラウド・サービスといってインターネット上でITインフラやソフトウエアを使いたい時に利用できるサービスが普及したことにより、ITインフラを構築する手間を大幅に削減できるようになりました。特にクラウドサービスによるアプリケーション・ソフトの利用は、かなり一般的になってきました。

出典:総務省https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/security/basic/service/13.html

 

部員:まさにITのシェアリングエコノミーですね。

 

 

アマゾンの「プロダクト・ライフサイクル」      

 

部長:以前に既存事業が好調であっても大企業は新たな分野に挑戦していくという「プロダクト・ライフサイクル」の話をしましたね。ネット通販で有名なアマゾンですが、実は最近の利益のほとんどはクラウド・サービスで稼いでいるのをご存じでしたか?第4四半期決算(2019年12月31日締め)での純利益は116億ドルで、そのうちの99億5千万ドルをクラウドサービスの純利益で占めています。アマゾンのほかに マイクロソフト、 グーグル といった大手により提供されているクラウド・サービスですが、首位を独走していたアマゾンも市場シェア40%から33%まで下げており、マイクロソフトはほぼ16%の横ばい、それ以下は一桁のシェア率となっており、まだまだ未成熟な成長市場と言えるでしょう。

出典:ZDNetJapanhttps://japan.zdnet.com/article/35148745/

出典:MM総研https://www.m2ri.jp/news/detail.html?id=354

 

部員:それではクラウド・サービスが普及したらサーバは、もう必要ないという訳ですか?

 

 サーバの種類                   

 

部長:社内には必要なくても、クラウド・サービスおよびその前後にもさまざまなサーバが存在しているんですよ。実は、サーバにも種類が色々ありまして、代表的なものだけでもファイルサーバ・プリントサーバ ・メールサーバ・Webサーバ ・ディレクトリサーバ(ActiveDirectory) ・DHCPサーバ・DNSサーバ ・データベースサーバがあり、各々が専門の働きをしているからこそ、快適なインターネット環境を利用することが出来ます。運送車両に例えるなら、コンクリートミキサー車、冷凍食品は冷凍車が運ぶようにサーバも用途によって各自が専用設計されているのです。

 

部員:なるほど。そういうことだったんですね。

 

部長:話を戻しますと、クラウド・サービスや5G、IoT、AI、ブロックチェーンの普及にともない、サーバの需要が世界中で急増している状況です。これは一過性の需要ではなく、以前から想定されていたことなのですが、それでも各企業の調達が間に合わない状況です。

 

部員:あー、足場のそれと同じ状況ですね。

 

需要が重要                    

部長:足場とは少し状況が異なります。ITネットワークに国境はありませんので、世界中がサーバを必要としています。日本全国の中小企業が節税のために投資したとしても、全世界の需要をまかなうことは出来ないでしょう。

 

部員:そう考えると需要って大事ですね。数年間に渡って事業を継続する訳ですから。

 

部長:そうですね。足場の場合ですと早くても5年後、長いと8年ですからね。サーバの場合はその反対で、年々新しいモデルが登場する為、古いモデルは年を追うごとに競争力も落ちていきます。 したがって、価値のあるうちに売却するとなれば最短で1年、最長で3年後に売却となります。

 

部員:サーバもセカンダリー・マーケットで売却出来るのですね。それならば、2025年とはいわずに、2023年頃までに資金を確保しておきたいのでサーバ・レンタルのほうが適しているように思えます。2〜3年後ならともかく、5年後の未来は想像つきませんから。

 

決算月に節税対策??               

部長:未来の想像がつかないとは業績についてですか?それならば、今期の決算月にサーバレンタルを開始するというのはどうでしょう。もし、来期の決算月に赤字が確定しそうな場合は、サーバを売却すれば、その赤字を補填することが出来ますよ。仮に来期の決算月になって、それほど利益がなかった場合はそのまま据え置きでレンタルを継続、来期も黒字になった場合はサーバを買い増しすればOKです。

 

部員:決算月に大きな買い物をしたらマズイんじゃないんですか?税務署から指摘されますよ。

 

部長:その点については問題ありません。新規の事業投資として健全な出費として税務処理出来ますから安心して下さい。

 

部員:それは良かった!じつは今期までは黒字続きでしたが、来期は少し不安なんです。オリンピックが終了してしまいますからね。それに、新型コロナウイルスの影響はすでに売上に反映されてきましたし、オリンピックの集客にも影響を与えることはほぼ間違えないでしょうからね。取引先の業績が悪化してウチの会社も連鎖的に赤字になる可能性が大きいです。

 

部長:それなら、安心です。サーバは新型コロナウイルスで肺炎になったりしませんから。ほっといても勝手に働いてくれてますよー。  、、、、と、まあ、冗談はさておき「新規事業へ投資は真の分散投資である」と言われております。たとえリーマンショックのような世界的大暴落が起きたとしても、事業は実業であれば、それほど被害を受けることはありません。それは、実需に対して運営されているからであって、株やFXなどの金融ではないからです。

 

部員:そうですよね。今期に納税するはずだった予算で新規事業をはじめれば、必然的に節税となり、来期からタックスマネージメントが行えるという訳ですね。部長、今回もとても勉強になりました。次回もまた、宜しくお願いします。